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洞菱工機 本社工場
H22年1月竣工 鉄骨造2階建 延床面積:2,248.5u(680坪)

全景

全景:玄関側から

工場

事務室

 神奈川県の「インベスト神奈川」の《施設整備等助成制度》は「企業誘致戦略2008プロモ−ション300」を設定し企業誘致活動を展開し、これに呼応する形で本件が実施された。建設機械等に使用される大型、特殊形状の部品等の切削加工等を行う工場と本社機能を併せ持つ施設である。
 工場は43m×38mの平面に天井を6.45mから5.77mとして気積は約9,800m3、製品の精度維持のため年間を通して空調を施す。
 屋根は鋼板の折板に耐火断熱材貼り、更にグラスウ−ルの下に天井板を張った。外壁はALC版t100の内側に硬質イソシアヌレートフォーム付石膏ボ−ド張りとした。1月の寒期に始業した工場は猛暑の8月も快適に作業できたと聞く。作業中の材料を含む工作機械の単体の重量は100tonを超えるものも有る。工場の床は全面厚さ800mmのマットスラブとした。所謂マスコンクリ−トの打設は1,300m3を超えた。セメントの水和熱による温度上昇で有害なひび割れが入る恐れに対し、膨張材を混和し流動化材を添加する等、細心のクラック防止策を講じた。工場の上部、2階に本社機能を設けた。工場に設けた9台の天井走行クレ−ンは2tonから5tonを吊る。2階への振動が懸念されたが工場上の長手方向に事務室の階高いっぱいのトラス梁を長さ36mにわたって216.3φ×7.0の鋼管で構成し対応した。事務所の屋上は鋼板の折版の上に薄層緑化システムによる屋上緑化を施した。空調負荷の軽減に大いに役立っている。
 大空間の空調設備は氷蓄熱空冷ヒ−トポンプ式エアコン、熱交換機ユニットを使用してランニングコストの軽減即ち環境負荷の削減に寄与する。
また金属切削によって発生する油のミストの処理、大空間の温度の均一化など困難な課題に遭遇する毎に建築主様の専門技術家の皆様と協議し解決してきた。深謝するのみである。
(深沢 義昭:建築ジャーナル 2011年 1月号より)
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