横浜トヨペット 厚木平成橋店
H23年3月竣工 鉄骨造2階建 延床面積:2,214.31u(670坪)
北側からの平断面見下ろし図:3方向の道路へスロープを介する移動によりアクセスしていることがわかる。
ショールームから南側を見る。この階が2階だと実感できる。
「この敷地を使って店舗を計画してみてほしい」
お施主様に指名され現場調査にいき目にした敷地は3方向が道路という好条件はあるものの不整形な五画形の形をしていました。また、メインの出入口と想定される国道246号は南側の市道から4.4%の登り勾配、小鮎川沿いの北側道路は南側市道から約1m高い位置にありました。南側市道を0と仮定すると北側道路は+1m、メイン道路となる国道とは+3mという高さの差が生じます。
3つの道路を活用するためには、各道路の高低差を五画形の敷地内で解消しなくてはいけません。その答えとして採用した計画がこの建物の主用途であるショールームを2階に計画したスキップフロアです。
南側市道からアクセスするサービス工場、そこから3m高い国道よりアクセスするショールームという2つの床レベルを設定し、サービス工場の上階に従業員用の諸室、ショールームの下階に駐車場を計画しました。北側道路にはショールームからは下りの、サービス工場からは上りのスロープによりアクセスし、建物の裏動線として活用します。
ショールーム下階の駐車場は消防法による特殊消火設備の設置義務が生じる地階としないことでコストを削減しましたが、反面床レベルを下げることに制限が生じたため、駐車場の天井高さ確保のためショールームの床面を国道から60cm程度高くして計画しました。この設定は国道からショールームに入る際に車いすを使用されるお客様が利用しやすい傾斜と調整しながら何度も設計を変更し協議したポイントです。
南東角の横断歩道ではやや見上げる位置にあった展示車両が国道を上りながら歩いていくと日照に恵まれたショールームの全貌が見えてくるという面白さはこの建物の大きな個性となっています。