栄進実業本社ビル
H26年10月竣工 鉄筋コンクリート造3階建 延床面積:168.55u(51坪)
事の発端は一本の電話でした。
電話をくださったのは、かつて本社ビルの設計をさせていただいたお施主様です。
「本社機能を新しい土地に移したい、そのための事務所ビルの設計をしてもらえないか?」
旧本社の竣工は昭和60年。電話をいただいたのは平成27年。30年の月日が経過していたにも関わらず、再度本社ビルの設計をご用命いただく。とても光栄でとてもうれしいご指名でした。
敷地はJRと京急の路線が平行して走っている東神奈川駅近くの国道一号線沿い三叉路にあります。ロケーションとしてはなかなかの場所でしたが、面積は100u弱。
高さ制限も厳しい制約の中、できる限り多くの執務面積を確保することが設計上の命題となります。
アウトフレームを採用し、室内へ柱が現れることにより生じるデッドスペースを極力抑え、建築基準法に定められている緩和規定を使って容積率対象面積をできる限り削減する等、実質的な床面積が少しでも大きくなるように設計しております。
敷地に余裕がないうえに躯体の構成が複雑なため、施工もかなり苦労しましたが、2代に渡って本社ビル建築に関われた嬉しさはその苦労を忘れさせてくれました。
なお、両建築の外観デザインがどことなく似ているのはお施主様からのご要望です。かつて提案したデザインが時間を経過しても愛されていることを実感するうれしい注文でした。