君嶋ビル改修
H20年3月竣工
昭和59年弊社にて設計した店舗(テナント)併用住宅のリノベーションを依頼されました。ご高齢のお母様が暮らしやすい改修をという指示を受け設計に着手。外壁及び躯体は清掃程度で現状のままとするという制約の中でどうしても生じる段差についてはスロープにて解消、扉については力を加えなくても開閉が可能な引き戸を採用、玄関からリビングにアクセスする階段には構造的にホームエレベーターの設置が難しかったため、いす式階段昇降機を設置しました。
既存建物の窓は当時当たり前であった単層ガラス。サッシの交換は施工条件的に厳しかったため、内側から木製サッシを取り付ける二重サッシを提案しましたがコストの問題で断念。次善の策として、内側に障子を設置しました。次善と表現しましたが、隣地建物との隙間やライトコートから入る光を室内に拡散してくれる存在としてインテリアの主役となっています。
改修工事の時期は真冬。お施主様と施工者である工務店の社長に私を加えた三人で暖房器具の入っていない現場内、電気ヒーターと缶コーヒーで暖を取りながら打合せしたのもいい思い出です。