N邸
H20年4月竣工 木造2階建(地下1階) 延床面積:182.41u(55坪)
用途地域は第一種低層住居専用地域。横浜市指定の高度地区は第一種。面積的にも高さ的にももっとも厳しい制限である。さらに前面道路は1/12勾配の坂道、敷地は奥行き方向に最大1.3mの上り勾配のある傾斜地。法的な制約及び敷地条件の制約をいかに解消するかが設計上の命題となった。
容積率に含まれない床の確保、斜線制限ぎりぎりのラインを狙った屋根勾配、傾斜を生かしたスキップフロアの採用、その他設計者としての苦労話はいくらでもでてくるが、ファサードのたたずまいは制約の中で苦心した跡を見せない、機能的でシンプルな形状にまとまったのではないだろうか?
「中に入ってはじめて建物の構成がわかった」という感想が多いと施主から聞いた。複雑な構成であることを感じさせない外観を目指した我々にとってもうれしい言葉である。
(深沢 直樹:建築ジャーナル 2011年 1月号より)